新型ウイルスの感染拡大が社会問題になる中、「空間除菌」という言葉が、生活空間や公共空間をまるごと除菌するイメージと共に注目されています。
その中でも最近、二酸化塩素が除菌材として販売もされており、空間除菌にも使えるという話をする人もいます。一方で二酸化塩素は空間除菌には効果がない、という話も聞きます。どちらが本当なのでしょうか。
そこで今回は、二酸化塩素が空間除菌に効果があるのかどうか解説をしたのちに、二酸化塩素以外の成分の特徴や、新型ウイルスの正しい消毒の方法を説明していきます。
【解説】二酸化塩素は空間除菌に効果がないって本当?次亜塩素酸水との違いは?
結論から言えば、二酸化塩素による空間除菌には、新型ウイルスに対する消毒の効果は期待できません。
まず、二酸化塩素の新型ウイルスに対する消毒の有効性は、現時点では確認されていません。
加えて、二酸化塩素に限らず、消毒剤の空間噴霧や燻蒸(すなわち「空間除菌」という言葉で言われるもの)は、新型ウイルスに対する消毒としては推奨しない、という見解が、世界保健期間(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)から出されています。
これを受けて、厚生労働省でも消毒剤やそれに類するものの空間噴霧はおすすめできない、という見解を出しています。
なお、二酸化塩素と並んで空間除菌で名前を聞く次亜塩素酸水ですが、名称こそなんとなく似ていますが、全く別の物質です。しかも、空間噴霧した時の人体への悪影響は次亜塩素酸水の方が高いので、注意してください。
二酸化塩素だけじゃない?空間除菌や消毒をうたう商品の成分と特徴
空間除菌や消毒をうたう商品が多数出回っています。ここではそのような商品でよくみられる成分とその特徴について解説します。
二酸化塩素
二酸化塩素水溶液などの成分を含んだ商品が除菌材として販売されていますが、先に述べたように新型ウイルスに対する消毒の有効性は、現時点では確認されていません。
つい最近も、この二酸化塩素を主成分とする商品を販売している大手薬品会社に対して、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令が出たところです。
なお、二酸化炭素と名称が似ていますが、もちろん全く別物です。
次亜塩素酸ナトリウム
いわゆる家庭用の塩素系漂白剤の成分です。適切な濃度に薄めて使うことで、ドアノブや食器などの消毒には有効です。
ただし、肌への負担が大きいため、手や指の消毒には適していません。
また、吸い込んだり目に入ったりすると大変危険ですので、空間噴霧には絶対に使ってはいけません。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸ナトリウムと名称は似ていますが、別の成分です。
次亜塩素酸を主成分とする水溶液のことで、食品の殺菌などに使われており、食品添加物としても指定されています(ただし、殺菌に使用後にはよく洗って食品の完成前に除去しなければいけません)。
このような背景から、なんとなく安全な成分のように思われています。
しかし次亜塩素酸水の空間噴霧による新型ウイルス除去効果は、現時点では確認されていません。加えて、消毒効果を有する濃度の次亜塩素酸水を噴霧することは、人体への悪影響も考えられるので、おすすめできません。
さらに、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を水に溶かしたものを「次亜塩素酸水」と銘打って販売している商品もあります。ご注意ください。
第4級アンモニウム塩
第4級アンモニウム塩は、塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムといった成分の総称です。医薬品や医薬部外品の消毒剤の有効成分で、手指の消毒には0.05%まで薄めて使われています。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)では、この成分が新型ウイルスへの消毒に有効であるという判断をしています。ただし、空間噴霧に関しては、この成分に関してもおすすめはできません。
アルコール類
アルコール類にも実はいくつか種類があります。
エタノールは、現在アルコール消毒液として一般に広く出回っているものの主成分です。消毒には70%の濃度が推奨されていますし、新型ウイルスに対する消毒としても有効です。
イソプロパノールは、医薬品の消毒剤の有効成分で、エタノールと同様の効果があります。ただし、エタノールもイソプロパノールも、引火性がありますから、空間噴霧は絶対にやめてください。
注意すべきはメタノールです。エタノールと名前は似ていますが、人体への毒性が高く、手や指の消毒には絶対に使用してはいけません。空間噴霧も論外です。
余談ですが、かつて戦後、物資や食料が不足していた時代、酒をどうしても飲みたい人が、工業用アルコールに手を出すことがありました。
その時に、エチルアルコール(=エタノール)と間違えて、メチルアルコール(=メタノール)を飲み、失明したり死亡する事例が多発しました。
また、闇市でメタノールが混在する酒が売られていたとも言われています。
「メチルアルコール=目散る=目が散る=失明する」という語呂合わせで注意喚起したと言われています。
二酸化塩素よりも簡単?新型ウイルスの正しい消毒・除菌の方法
ここでは、二酸化塩素などの空間除菌よりも簡単で確実な、新型ウイルスの正しい消毒・除菌の方法を説明します。
手や指などのウイルス対策
手や指についたウイルスの対策は、洗い流すことが最も重要です。
流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。また、手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はありません。まずは手洗いを徹底しましょう。
外出先などで手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液も有効です。
濃度70%以上95%以下のエタノール(もしくは、50%から70%の濃度のイソプロパノール)を用いて、よくすりこみます。
ただし、アルコールに過敏な方は使用を控えてください。
モノに付着したウイルス対策
食器や箸などは、熱水でウイルスを死滅させることができます。80℃の熱水に10分間さらせば大丈夫です。この時、やけどには注意しましょう。
また、先にも述べた次亜塩素酸ナトリウム、すなわち塩素系漂白剤も、新型ウイルスの消毒に有効です。食器やテーブルやドアノブなどの消毒に使いましょう。
ハイターなどの一般的な塩素系漂白剤を、ペットボトル(500ml)のキャップ1杯、これを500mlの水で薄めたもので拭いて、そのあと水拭きをしましょう。換気や家事用手袋の着用を忘れずに。
ただし、酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生するので要注意です。また、金属製のものは腐食する可能性があるので、使用を控えましょう。
塩素系漂白剤以外にも、家庭用洗剤も消毒に有効です。家具用洗剤は使用方法に従って、台所用洗剤は薄めて利用しましょう。
次亜塩素酸水も消毒に有効ですが、濃度や使用後の処置など注意する点が多い成分ですので、その点を覚えておいてください。
空気中のウイルス対策
空気中のウイルス対策には、空間除菌よりも簡単で重要な方法があります。それはこまめな換気です。
室内の温度が大きく変化しないよう注意しながら、定期的な換気を行いましょう。窓を使った換気を行う場合、風の流れができるよう、2方向の窓を、1時間に2回以上、数分間程度、全開にしましょう。
徹底した除菌をしたい人におすすめの対処法
新型ウイルスの正しい消毒・除菌の方法を説明しましたが、それでも世間には様々な情報が飛び交い、本当に自分がやっている方法で合っているのか、効果はあるのか、と不安になる人もたくさんいます。
また、ドアノブやテーブルなどよく触れるところだけでなく、壁や天井など室内のモノを徹底的に除菌したい人もいます。
そんな方には、業者による一括除菌をおすすめします。除菌のノウハウが蓄積された業者ならば、皆様に安全で安心な除菌を提案できます。
まとめ
今回は、二酸化塩素をはじめとする空間除菌に効果があるのかどうか、ということから始まり、空間除菌や消毒をうたう商品とその成分について検証したのちに、新型ウイルスの正しい消毒・除菌方法について説明してきました。
それでも、日々の新型ウイルスの感染拡大や社会情勢の変化、さらには様々な情報の錯綜の中で、正しい消毒や除菌とはどういうものか不安に感じる人が多いのも事実です。
不安を抱えている方は、ぜひ一度消毒・除菌のノウハウの蓄積がある業者にご相談ください。
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